取引手数料のキャッシュバックが割に合わないとき
キャッシュバックはすでに払っているコストの一定割合です。つまり増えるのは取引量に応じてだけで、それ以外の要素では増えません。ある取引量を下回ると、金額は本物でも何かを動かす理由にはならず、ほとんど効かない取引スタイルが3つあります。その境界がどこにあるのかを、計算とともに示します。
- キャッシュバックは支払った手数料の一定割合なので、金額を伸ばすのは取引量だけです。Bybitで月間taker取引高100,000 USDTなら、戻るのはおよそ17 USDTです。
- 月およそ1,000,000 USDTを下回るなら、自分が本当に使いたい取引所を選んでください。還元は決め手になるほど大きくありません。
- ほとんど効かない層が3つあります。すでに0.010%から0.020%しか払っていないmaker中心のトレーダー、数か月単位で保有する現物の買い手、そしてポジションが小さくスプレッドのほうが手数料より高くつく人です。
- 効くのはtakerの比率が高いfutures取引です。Bybitで月間5,000,000 USDTなら手数料2,750 USDTに対して約825 USDTが戻ります。
- 決してできないのは、負けている手法を勝ちに変えることです。これはコストの割引であって、優位性ではありません。
どのキャッシュバック業者も同じページを出します。これだけ戻ります、数字がこんなに伸びます、と。これはもう一方のページです。私たちはキャッシュバックのサービスを運営していますが、そのために取引所を移れと勧めたら、戻る額より注意力のほうが高くつく取引量というものがあります。計算は暗算でも検算できるほど単純なので、そのまま示します。あわせて、どれだけ取引しても還元がノイズに近いままの3つのケースも見ていきます。
重要な数字は手数料の総額だけ
キャッシュバックは支払った手数料の一定割合であって、取引高でも利益でも残高でもありません。 つまり見積もりは掛け算ひとつです。月間取引高に、取引所のtaker手数料を掛け、キャッシュバック率を掛ける。どんなキャンペーンもこの形は変えません。
Bybitの初期ティア0.055% takerと30%還元で考えます。月にtaker取引高100,000 USDTのトレーダーは手数料55 USDTを払い、約17 USDTが戻ります。同じ人が1,000,000 USDTなら550払って165が戻る。5,000,000 USDTなら2,750払って825が戻ります。
立ち止まる価値があるのは最初の行です。月17 USDTは本物のお金であり、同時に、タイミングを外したエントリー1回で払うスプレッドより小さい額です。どの取引所を使うかをこの金額に決めさせるべきではありません。
| 月間taker取引高 | 支払手数料 | Trade Reclaimで戻る額 |
|---|---|---|
| 100,000 USDT | 55 USDT | 16.50 USDT |
| 500,000 USDT | 275 USDT | 82.50 USDT |
| 1,000,000 USDT | 550 USDT | 165 USDT |
| 5,000,000 USDT | 2,750 USDT | 825 USDT |
Bybitのfutures初期ティア0.055% taker、キャッシュバック30%。自分の数字は、取引高×taker手数料×還元率で出せます。
あまり効かない3つのケース
maker中心のトレーダーはもともとほとんど払っていないので、その一定割合もほとんどゼロです。 初期ティアのmaker手数料はMEXCとPhemexで0.010%、それ以外のほとんどで0.020%。limit orderしか置かずスプレッドを超えないトレーダーはtakerの3分の1しか払っておらず、その3分の1の30%は、約定を1回逃すことに比べれば端数の誤差です。
買って保有する現物の買い手は、還元の対象になる手数料をそもそも生みません。 月に2回買って1年持つなら、年間の手数料はアクティブなfuturesトレーダーの1週間分より少ない。保管、出金コスト、その取引所が自分の国で使えるかのほうが、還元よりはるかに重要です。
小さいポジションは手数料よりスプレッドで失います。 板の薄い銘柄では、狙った価格と約定価格の差が手数料全体を上回ることは珍しくなく、それは両方向に起きます。どこで約定しているかを見ずに手数料だけ最適化するのは、順番が逆です。
名前を出しておくべき下限もあります。USDTの最低出金額は20 USDTです。Bybitの初期ティアで月間taker取引高30,000 USDTなら月に約5 USDT積み上がるので、その最低額に届くのはおよそ4か月後です。積み上がる間に失われるものはありませんが、扱っている金額の規模を正直に示す数字ではあります。
実際に効いてくる場面
takerの比率が高いfutures取引こそ、キャッシュバックが想定している場面です。 market order、頻繁なエントリー、口座サイズに対して想定元本を膨らませるレバレッジ。この形は手数料体系のなかで最も高い率を毎日払っており、還元はまさにそれに比例して伸びます。
2つ目は、すでにVIPティアに到達して、次のティアの効果がどれだけ小さいかを知った人です。BitgetではVIP 0からVIP 1に上がるのに月間5,000,000 USDTの取引高と30,000 USDTの残高が必要で、taker手数料は0.060%のまま。還元は、維持すべき条件なしにその数字を動かします。
3つ目は、複数の取引所に分散している人です。手数料ティアは取引所ごとなので、5つに分かれた取引量はどこでも割引に届きにくい。一方で還元は、最初の1取引からそのすべてに同じ率で効きます。
キャッシュバックにできないこと
負けている手法を利益に変えることはできません。 損失を出しているシステムで手数料の30%が戻るのは、損失がわずかに小さくなるということです。手法と利益の間に立ちはだかっているのが手数料なら、その手法は大きなサイズで回すには境界に近すぎます。
取引量を増やす理由にもなりません。手数料は活動量とともに増え、還元も同様に増えますが、還元は常に小さいほうの数字です。キャッシュバック率を収入源のように見せる説明は、割引を事業として語っています。
そして、どこで取引できるかも変えません。取引所の規約に自分の国が挙がっているなら、口座自体が存在しないので還元も適用されません。その問いは手数料表ではなく、取引所の規約で決着します。
まず自分の数字を出してみる
月間taker取引高に、取引所のtaker手数料を掛け、キャッシュバック率を掛ける。その額が受け取る価値のあるものなら、あなたの取引所の率は計算ツールにあります。そうでないなら答えは出ていて、かかったのは1分です。
よくある質問
キャッシュバックが割に合うには、どれくらいの取引量が必要ですか
目安としては、月間taker取引高1,000,000 USDT前後から、還元が取引所選びに影響するだけの大きさになります。Bybitの初期taker手数料0.055%なら、手数料550 USDTに対して月およそ165 USDTが戻る計算です。それを下回る額は本物のお金ではありますが、何かを決める材料にはすべきではありません。
maker中心のトレーダーにキャッシュバックは割に合いますか
ほとんど合いません。初期ティアのmaker手数料は0.010%から0.020%で、還元の対象になる手数料自体がtakerの3分の1以下です。還元は手数料に比例するので、手数料が小さければ還元も小さくなります。
長期保有にキャッシュバックは役立ちますか
ほとんど役立ちません。キャッシュバックは取引手数料の一定割合で、買って持つポジションが手数料を生むのは入るときと出るときの2回だけです。この形なら出金コストや、その取引所が自分の国で使えるかのほうがはるかに重要です。
キャッシュバックで、利益の出ない手法が利益を出すようになりますか
なりません。すでに払ったコストの一部が戻るだけなので、優位性を作るのではなく損失を小さくします。収益性が手数料の還元に依存している手法は、自分の損益分岐点に近すぎて、相場環境の変化を越えられません。
VIPティアを目指すのとキャッシュバックを使うのはどちらがいいですか
どちらか一方ではありません。そしてVIPの階段は思われているほど動きません。BitgetのVIP 1は月間5,000,000 USDTの取引高と30,000 USDTの残高を要求しながら、taker手数料は0.060%のままです。還元は条件なしに適用され、両方を同時に受けられます。
Trade Reclaimのリサーチチームは、当社が扱う10取引所の手数料体系、VIP条件、市場アクセスの規則を追跡しています。ここに載せた数値はすべて取引所自身の手数料体系から取り、公開日に確認したものです。私たちはキャッシュバックのサービスを運営しています。だからこそ、このページでは効かない場面を扱います。
Trade Reclaimは取引所の紹介で収益を得て、その大半をキャッシュバックとしてあなたに還元します。投資助言ではなく、教育目的の情報です。